Subsections


5.3 ソフトウェアの使い方

解析システムにインストールされているソフトウェアの中で、使用するにあたり注意が必要なソフトウェアの紹介を行います。
  1. AIPS
  2. CASA
  3. CASA Analysis Utilities
  4. GILDAS
  5. IDL
  6. IRAF
  7. Jupyter Notebook
  8. MCSRED
  9. Miriad
  10. NEWSTAR
  11. pLaTeX
  12. SDFRED
  13. xdvi
  14. Karma


1. AIPS

利用申請

AIPSをご利用になられる方は「consult(atmark)ana.nao.ac.jp」に解析システムのユーザアカウント名をご連絡ください。本システムではAIPSの利用希望者にAIPSのユーザIDを割り振っています。AIPSの利用者は割り振られたユーザIDのみ利用することができます。他人のユーザIDを使ってAIPSを起動することはできません。

利用申請を行わない場合はユーザID 2-9 のみ利用することができます。ただし、ID 2-9 は誰でも利用可能なIDであり、解析データを第三者に操作される恐れがあります。本格的な解析を行う場合は利用申請を行ってください。

解析データの保管場所

利用申請を行った場合、ユーザの解析データの保存先はホーム領域に設定されます。ホーム領域はNFSマウントされているため、どの対話型解析サーバでAIPSを起動しても同一のデータを扱うことができます。

利用申請を行っていない方利用ができるID 2-9の解析データは“/lfs01/aips/DATA/LOCALHOST_1”に保管されます。/lfs01領域は定期データ削除の対象となりますのでご注意ください。

起動方法

AIPS起動時は以下のコマンドを入力して下さい。AIPS(31DEC19)が起動されます。
$ source /usr/local/aips/LOGIN.SH
$ aips tv=local:0
旧バージョンを利用する場合はso1urceコマンドでそれぞれのバージョンのスクリプトを実行してください。
 【31DEC17】/usr/local/aips-31DEC17/LOGIN.SH


2. CASA

CASAを使用する際の注意事項

CASAを使用する際はホーム領域あるいはローカルディスク領域(/wkm[01-20], wkh[01-12])で使用することを強く推奨します。 NFSディスク上(/lfs[01-16])でCASAを使用すると、全てのCASAバージョンにおいて全ての機能が正常に動作しない可能性があります。

起動方法

CASAのデフォルトパスは基本的に最新版に設定されています。旧バージョンを利用する場合は以下のフルパスを指定して起動して下さい。
 【4.7.0-1】/usr/local/casa/casa-release-4.7.0-1-el7/bin/casa
 【4.7.1】/usr/local/casa/casa-release-4.7.1-el7/bin/casa
 【4.7.2】/usr/local/casa/casa-release-4.7.2-el7/bin/casa
 【5.0.0】/usr/local/casa/casa-release-5.0.0-218.el7/bin/casa
 【5.1.0】/usr/local/casa/casa-release-5.1.0-74.el7/bin/casa
 【5.1.1】/usr/local/casa/casa-release-5.1.1-5.el7/bin/casa
 【5.1.2】/usr/local/casa/casa-release-5.1.2-4.el7/bin/casa
 【5.3.0】/usr/local/casa/casa-release-5.3.0-143.el7/bin/casa
 【5.4.0】/usr/local/casa/casa-release-5.4.0-70.el7/bin/casa
 【5.4.1】/usr/local/casa/casa-release-5.4.1-32.el7/bin/casa
 【5.5.0】/usr/local/casa/casa-release-5.5.0-149.el7/bin/casa
 【5.6.1(pipeline)】/usr/local/casa/casa-pipeline-release-5.6.1-8.el7/bin/casa
 【5.6.2(pipeline)】/usr/local/casa/casa-pipeline-release-5.6.2-2.el7/bin/casa
 【5.7.0】/usr/local/casa/casa-release-5.7.0-134.el7/bin/casa
 【5.7.2】/usr/local/casa/casa-release-5.7.2-4.el7/bin/casa
 【5.8.0】/usr/local/casa/casa-release-5.8.0-109.el7/bin/casa
 【6.1.0】/usr/local/casa/casa-6.1.0-118/bin/casa
 【6.1.1(pipeline)】/usr/local/casa/casa-6.1.1-15-pipeline-2020.1.0.40/bin/casa
 【6.1.2(pipeline)】/usr/local/casa/casa-6.1.2-7-pipeline-2020.1.0.36/bin/casa
 【6.2.0】/usr/local/casa/casa-6.2.0-124/bin/casa
 【6.2.1(pipeline)】/usr/local/casa/casa-6.2.1-7-pipeline-2021.2.0.128/bin/casa
 【6.3.0】/usr/local/casa/casa-6.3.0-48/bin/casa
 【6.4.0(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.4.0-16-py3.6/bin/casa
 【6.4.0(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.4.0-16-py3.8/bin/casa
 【6.4.1(pipeline)】/usr/local/casa/casa-6.4.1-12-pipeline-2022.2.0.64/bin/casa
 【6.4.3(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.4.3-27-py3.6/bin/casa
 【6.4.3(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.4.3-27-py3.8/bin/casa
 【6.4.4(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.4.4-31-py3.6/bin/casa
 【6.4.4(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.4.4-31-py3.8/bin/casa
 【6.5.0(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.5.0-15-py3.6/bin/casa
 【6.5.0(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.5.0-15-py3.8/bin/casa
 【6.5.1(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.5.1-23-py3.6/bin/casa
 【6.5.1(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.5.1-23-py3.8/bin/casa
 【6.5.2(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.5.2-26-py3.6/bin/casa
 【6.5.2(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.5.2-26-py3.8/bin/casa
 【6.5.3(Python3.6)】/usr/local/casa/casa-6.5.3-28-py3.6/bin/casa
 【6.5.3(Python3.8)】/usr/local/casa/casa-6.5.3-28-py3.8/bin/casa


3. CASA Analysis Utilities

使用方法

CASA Analysis Utilitiesは「/usr/local/src/casa/analysis_scripts/」 にインストールされています。以下の内容を記述したファイル「init.py」を「~/.casa/」に配置した上でCASAを起動してください。
import sys
aupath = '/usr/local/src/casa/analysis_scripts'
if aupath not in sys.path:
   sys.path.append(aupath)
import analysisUtils as aU

動作確認について

本ソフトウェアの動作確認は、以下サイトに記載されているツールに関して実施しました。
 CASA Guide 内の Analysis Utilities 解説サイト(https://casaguides.nrao.edu/index.php/Analysis_Utilities
ただし、plotbandpassとplotweatherについてはCASA側にタスクとして実装されているので試験していません。これらの関数を使いたい場合は同名のCASAタスクを利用してください。また、以下の関数は場合によっては正常に動作しないことがわかりました。

アンテナパッド情報について

アンテナパッド情報はインストールされていません。したがってこれを必要とするツールは正常に動作しない可能性があります。

ホーム領域にAnalysis Utilitiesを展開して使用する場合

各ユーザーのホーム領域にAnalysis Utilitiesを展開して使用することも可能です。その場合、以下のサイトを参考にしてツール群を展開し、上記の init.py に記述するパスは適切なものに変更してください。
 CASA Guide内のAnalysis Utilities 解説サイト(https://casaguides.nrao.edu/index.php/Analysis_Utilities


4. GILDAS

起動方法

GILDASを起動する前に以下のコマンドをターミナルで実行する必要があります。
$ gilenv
実行後、そのターミナル上でのみGILDASが実行可能になります。


5. IDL

起動できない場合(1)

IDLを強制終了させるとその後起動できなくなる場合があります。強制終了時にIDLの設定ファイルが破損することが原因と考えられます。解決するためには以下の操作をお試しください。ただしファイルが破損する場合があります。
「~/IDLWorkspace8?」のリネーム
「~/.idl」のリネーム

起動できない場合(2)

ログイン後にシェルを変更するとIDLが起動できなくなります。IDLの環境設定ファイルが読み込めないことが原因です。シェルを変更したい場合は以下のコマンドをご利用下さい。
$ modify_userinfo -s [ログインシェル]


6. IRAF

IRAF 2.14の起動方法

解析システムではIRAF 2.16がデフォルトで起動します。IRAF2.14を利用したい方は以下の操作を行って下さい。
<sh, bashの場合>
以下のスクリプトを「~/.bashrc」と「~/.bash_profile」の両方に追記
if [ -r /usr/local/iraf2141/iraf/unix/hlib/setup.sh ]; then
export IRAFARCH=redhat
export iraf=/usr/local/iraf2141/iraf/
. $iraf/unix/hlib/setup.sh
fi

<csh, tcshの場合>
以下のスクリプトを「~/.cshrc」に追記して下さい。
if ( -r /usr/local/iraf2141/iraf/unix/hlib/setup.csh ) then 
  setenv IRAFARCH redhat
  setenv iraf /usr/local/iraf2141/iraf/
  source $iraf/unix/hlib/setup.csh
endif


7. Jupyter Notebook

対話型解析サーバでJupyter Notebookを「-no-browser」モードで起動し、 天文台内の個人環境のウェブブラウザから利用する場合には、その間の通信が暗号化されませんので、 SSHポートフォワーディング機能の利用を強く推奨します。

(天文台外から、多波長解析が提供するVPNソフトとVPNサーバを利用する場合には、VPNソフトの機能により多波長解析 VPNサーバまでの通信が暗号化されますので、SSHポートフォワーディングの利用は必須ではありません)

SSHポートフォワーディング機能の利用方法

  1. 対話型解析サーバ上で「-no-browser」オプションをつけてJupyter Notebookを起動する。
    $ jupyter notebook --no-browser
    
    アクセスするためのURLが表示される。
    例:http://localhost:8888/?token=...
    
  2. 手元環境でsshを実行する(以下はURLに含まれるポート番号が8888の場合)。
    $ ssh -L 8888:localhost:8888 アカウント名@jupyterを起動したサーバ
    
    補足:ポート番号が8888以外の場合、sshの実行オプションのポート番号もそれに合わせる。
    
  3. 手元環境でウェブブラウザを起動し、アドレスバーにURLをコピー&ペーストして実行する。


8. MCSRED

MCSREDの起動方法

mcsredをIRAFからロードすると、デフォルトではMCSRED2が起動します。MCSREDを利用したい場合は以下の設定を行ってください。
<login.clの修正>
task $mcsred=/usr/local/subaru/MCSRED/mcsred.cl
set dir_mcsred="/usr/local/subaru/MCSRED/"
<sh/csh設定ファイルの修正>
[sh, bashの場合]
~/.bashrc と~/.bash_profileの両方へ以下の1行を追記する。
export MCSRED_DIR=/usr/local/subaru/MCSRED

[csh, tcshの場合]
~/.cshrc へ以下の1行を追記する。
setenv MCSRED_DIR /usr/local/subaru/MCSRED


9. Miriad

環境設定

Miriadを起動する前に環境設定を行う必要があります。
<sh, bashの場合>
alias mirenv="source /usr/local/miriad/miriad_start.sh"(CARMA用)
alias mirenv-sma="source /usr/local/miriad/miriad-sma/lib/miriad/automiriad.sh"(SMA用)
alias mirenv-ata="source /usr/local/miriad/miriad-ata/lib/miriad/automiriad.sh"(ATA用)
alias mirenv-bima="source /usr/local/miriad/miriad-bima/lib/miriad/automiriad.sh"(BIMA用)
alias mirenv-gmrt="source /usr/local/miriad/miriad-gmrt/lib/miriad/automiriad.sh"(GMRT用)
alias mirenv-wsrt="source /usr/local/miriad/miriad-wsrt/lib/miriad/automiriad.sh"(WSRT用)
alias mirenv-atnf="source /usr/local/miriad/miriad-atnf/miriad/MIRRC.sh"(ATNF用)
alias mirenv-atnf2="source /usr/local/miriad/miriad-atnf2/lib/miriad/automiriad.sh"(ATNF用 旧版)
alias mirenv-fasr="source /usr/local/miriad/miriad-fasr/miriad_start.sh"(FASR用)
alias mirenv-lofar="source /usr/local/miriad/miriad-lofar/miriad_start.sh"(LOFAR用)
以上のように各望遠鏡毎のMiriad環境設定スクリプトのaliasを準備しています。Miriadを起動するためには事前に環境設定スクリプトを実行する必要があります。
<例:SMA用のMiriadを起動する場合>
$ mirenv-sma
$ miriad


10. NEWSTAR

正常に起動しない場合

NEWSTARを起動してもログインウィンドウが立ち上がらない、ログインウィンドウで「ok」ボタンを押した時に「AIPS can't start」と表示されることがあります。原因はNEWSTARを強制終了した時にホームディレクトリ内に「nsmmmlock、mmm*、pops*、AIPS*、ttt*」等のサイズが0の一時ファイルが残存してしまうためです。これらのファイルを削除した後にNEWSTARを起動して下さい。


11. pLaTeX

コンパイルについて

pLaTeXでEUC-JPのLaTeXファイルのコンパイルが通らない場合があります。解析システムで導入しているpLaTeXのデフォルトの文字コードはUTF-8なので、EUC-JPのLaTeXファイルをコンパイルする場合は-kanjiオプションを指定して下さい。
$ platex -kanji=euc hoge.tex


12. SDFRED

起動方法

SDFREDのデフォルトパスは最新バージョンに設定されています。1.4.1を使用する場合は事前に以下の作業を行って下さい。
<sh, bashの場合>
1)「~/.bashrc」及び「~/.bash profil」へ以下の2行を追記する。
  PATH=/usr/local/subaru/sdfred20100528/bin:$PATH export PATH
  export PATH
2)「source ~/.bashrc」を実行する。

<csh, tcshの場合>
1)「~/.cshrc」へ以下を追記する。
  set path=(/usr/local/subaru/sdfred20100528/bin $path)
2)「source ~/.cshrc」を実行する。
3)「rehash」を実行する。


13. xdvi

文字化けについて

xdviではEUC-JPでコンパイルしたファイルが文字化けする事があります。EUC-JPのLaTeXファイルをpLaTeXでコンパイルする場合は「-kanji」オプションを指定して下さい。
$ platex -kanji=euc hoge.tex


14. Karma

環境設定

Karma を起動する前に環境設定を行なう必要があります。使用されるユーザは以下のコマンドを実行してください。
<シェルが sh,bash の場合>
$ source /usr/local/karma/.karmarc

<シェルが csh, tcsh の場合>
$ source /usr/local/karma/.login

(注意)

上記設定により、convert コマンドの参照先が「/usr/bin/convert」から「/usr/local/karma/bin/convert」に変更されます。「/usr/bin/convert」を使用する場合はご注意ください。

ADC
2023-03-24